エクソンCEOがティラーソン国務長官だった頃に世界がシェール革命に注目し始めた(C)AFP=時事

 

 先般、石油需要ピーク論の本質は「欠如の時代」から「余剰の時代」へのパラダイム・シフトだと指摘する英国エネルギー大手「BP」調査部門トップのスペンサー・デールの見解を紹介した(「『欠乏から余剰』の原油価格を左右する『需要ピーク』と『社会コスト』」2018年1月23日参照)。ご存じのように需要ピークの背景には、供給面におけるシェール革命と需要面におけるパリ協定がある。

 デールは別のところで、シェール革命の本質は石油開発事業が「1回限りの、スケールの大きな、エンジニアリング・プロセス」のみではなく、「標準化された、反復可能な、製造業プロセス」でも可能だというパーセプション・シフトだと指摘している(2015年10月13日に行ったスペンサー・デールの講演『石油の新経済学』)。したがって、シェール革命は米国外にも伝播し、在来型の石油開発にも長期的な、大きな影響をもたらすだろうというのだ。

 筆者は、シェール革命の米国外への伝播は、掘削権に関する法体系、周辺サービス産業の規模、資機材手当の容易さ、ヘッジ可能な先物市場の存在の差異などから、決して容易ではないが、必ず在来型へは影響する、在来型のコスト削減・効率化に拍車がかかるだろう、と判断していた。

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