地位に目が眩んだか、発言をクルクル変えるSPDシュルツ党首(C)EPA=時事

 

 ドイツで社会民主党(SPD)の混迷が止まらない。

 2月7日、4カ月半にわたる苦難の交渉の末、キリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)との間の大連立に向けた協議がまとまり、SPDは、先の総選挙で得票率20.5%と歴史的大敗を喫したにしては多くの譲歩をキリスト教民主同盟(CDU)から勝ち取った。とりわけ、それまでCDUの牙城であり、政策実現にとり絶対的権限を持つ財務相ポストを手に入れ、これで3月4日に判明するSPD全党員による選挙もなんとか乗り切れるのではないかとの見方も広がった(2018年2月15日「ドイツ『連立合意』で近づく『メルケル政権』の終焉」参照)。

 その矢先、まずはマルティン・シュルツ党首が外相就任でつまずいた。シュルツ氏は党首を辞任の上、新たに発足するメルケル政権の外相に就任する意向を明らかにしたが、これが党内の大きな反発を呼ぶ。

 とりわけ、ジグマール・ガブリエル外相が、「話が違う」と自らの交代に不満を表明するにおよび、党内の不満が一気に噴き出した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。