米朝首脳会談の準備をCIA長官として進めたポンペオ氏。会談には国務長官として臨む (C)AFP=時事

 

 突然決まったドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談の開催。いつ、いかにして、なぜ合意ができたのか。今も全容が解明されたとは言えない。

 その裏側では、米国の中央情報局(CIA)と韓国の国家情報院(NIS)の間で、異例の緊密な協力が進められてきたことが明るみに出た。

大統領はいつ知った

 3月8日木曜日のホワイトハウス。3日前の5日に訪朝した際、トランプ大統領にあてた親書を金委員長から預かった韓国の特使、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安全保障室長と徐薫(ソ・フン)NIS院長はその日の朝、ワシントンに到着。午後に鄭室長はH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、徐院長はジーナ・ハスペルCIA副長官と会談した。マイケル・ポンペオCIA長官は出張中で不在だった。

 その後これら4人はマイク・ペンス副大統領、ジェームズ・マティス国防長官、ダン・コーツ国家情報長官、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長、ジョン・ケリー大統領首席補佐官に駐米韓国大使を入れた総勢10人で会談していた。その場に伝えられたのは「大統領執務室へ来るように」とのトランプ氏からの伝言だった。

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