不可解な「米朝首脳会談」裏側の真実:NSC開催なし、内部対立、大統領メモ廃棄
2018年6月20日

米朝会談では席は並べたものの、ボルトン補佐官(右端)とポンペオ国務長官(右から2番目)の対立は深い (C)AFP=時事
ドナルド・トランプ米大統領が先頭に立って、北朝鮮は「非核化」すると前評判を煽り続け、否が応にも期待感を高めた米朝首脳会談。結果を見て、がっかりした人が多かった。
トランプ大統領は、過去のどの米大統領もなし得なかったことを実現する、と公言してはばからなかった。マイク・ポンペオ米国務長官も、完全かつ検証可能、不可逆的な非核化(CVID)だけが「唯一受け入れ可能な結果」と胸を張っていた。
ところが発表された共同声明は北朝鮮側が「朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した」としか書かれていなかった。そもそも両国は「非核化」の概念で一致していないので、核弾頭からミサイル、プルトニウム、核施設まですべてを廃棄するのか、一部だけなのか、まったく不明。具体性を欠くこんな言葉だと、可能な限り多数の「核」を残したいと考える北朝鮮側の「勝利」は明らかだ。
あの首脳会談の裏で一体何があったのか。
過去の米朝合意問題も確認せず
トランプ政権のだらしない成果に、クリントン政権からブッシュ(子)、オバマ政権まで、対北朝鮮交渉を担当した高官らから一斉に猛批判が浴びせられた。
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