いよいよヤマ場を迎えるか――モラー特別検察官(左)とトランプ大統領 (C)AFP=時事

 

「ロシア疑惑」を捜査する米国のロバート・モラー特別検察官。捜査開始から1年を過ぎて、周辺人物の立件から疑惑の核心に迫る勢いを示している。

 7月13日の発表で明らかになったロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の12人の将校の起訴。起訴状は、選挙運動中のドナルド・トランプ米大統領候補およびその運動員の発言と行動が歯車のように噛み合って、機能していたことを如実に表面化させた。

 これまでの捜査では、「疑惑の周辺」にしか捜査のメスを入れられなかった。元ロビイストでトランプ選挙対策本部長だったポール・マナフォートの脱税しかり、マイケル・フリン元大統領補佐官のロシアとの接触に関する偽証罪しかり。だが、今後はまさに「共謀」と言える領域に捜査が踏み込んだ。

トランプ発言でサイバー攻撃試みる

 起訴状の中で米専門家らが最も注目したのは、2016年7月27日の出来事。この日話題になったのは、ヒラリー・クリントン候補の3万通に上る個人eメールが行方不明になっているとのニュースだった。

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