共に米国へ情報戦争を仕掛ける(9月12日、「東方経済フォーラム」にて。左・習近平中国国家主席、右・プーチン露大統領)(C)AFP=時事

 

 今年2月2日の本欄で、「CIAの『中国情報網』が壊滅か:中国系元工作員に疑惑」のタイトルで伝えた米国の危うい対中インテリジェンス態勢。その後、事態の解明が進み、さらに深刻な事態が明らかになってきた。

 第1に、中国当局に処刑された中国人CIA(米中央情報局)協力者の数が2010年末から約2年間で約30人にも上ることが分かった。

 第2に、CIAが中国国内に築いた情報網が中国当局に暴かれたのは、CIAと協力者を結ぶ秘密の通信システムを見破られたのが原因とみられること。

 第3に、中国がこの通信に関する情報を「ロシアと共有した強力な兆候」が見られることだ。

 第3点が事実とすれば、ロシア国内のCIA情報網も危険になる可能性がある。事実、2016年の米大統領選挙の際には貴重な情報がウラジーミル・プーチン露大統領に近い筋から寄せられていたが、中間選挙を前にしてそうした情報が急減した、と伝えられている。

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