今年5月9日の戦勝記念日パレードに登場した「ウラン‐9」(C) EPA=時事

 

 無人航空機(UAV)の分野で欧米や中国に遅れを取るロシアが、その挽回を目指している状況は以前の小欄で紹介した(2018年4月9日「実は遅れているロシアの『ドローン』戦略」参照)。

 今のところ小型無人機が中心となっているロシアの無人機戦力だが、最近では大型のステルスUAV「オホートニク」が初飛行間近と報じられているほか、マッハ5以上の極超音速飛行能力を目指す「アンチャル-RV」といった野心的なUAV開発計画が進められており、先行する欧米中へのキャッチアップを果たせるのかどうかが注目される。

 一方、ロシアがリードしているのが、地上で運用される無人車両(UGV)の分野である。

地雷除去から戦闘まで

 今のところ最も開発が進んでいるのは「ウラン」と名付けられたシリーズで、地雷除去用の「ウラン-6」、戦闘用の「ウラン-9」、消火作業用の「ウラン-14」の存在が知られている。

 いずれもキャタピラを備え、小型の戦車のような外観をしており、ウラン-9の場合は30ミリメートル機関砲や対戦車ミサイルまで備えるという重武装ぶりだ。ウラン-6とウラン-9はシリア作戦に試験投入されたほか、後者については今年9月に実施されたロシア軍極東大演習「ヴォストーク2018」にも登場した。

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