サイバーウォー・クレムリン (19)

無人車両「UGV」開発を急ぐロシアの「課題」と「意図」

執筆者:小泉悠 2018年10月3日
エリア: ヨーロッパ
今年5月9日の戦勝記念日パレードに登場した「ウラン‐9」(C) EPA=時事

 

 無人航空機(UAV)の分野で欧米や中国に遅れを取るロシアが、その挽回を目指している状況は以前の小欄で紹介した(2018年4月9日「実は遅れているロシアの『ドローン』戦略」参照)。

 今のところ小型無人機が中心となっているロシアの無人機戦力だが、最近では大型のステルスUAV「オホートニク」が初飛行間近と報じられているほか、マッハ5以上の極超音速飛行能力を目指す「アンチャル-RV」といった野心的なUAV開発計画が進められており、先行する欧米中へのキャッチアップを果たせるのかどうかが注目される。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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