「米中新冷戦」で懸念される日本の立場:活発化する米国の対中インテリジェンス活動
2018年10月19日
「現代版の『鉄のカーテン演説』か?」と疑問符付きで、米紙『ニューヨーク・タイムズ』の北京発の記事が伝えた。10月4日に保守系シンクタンク「ハドソン研究所」でマイク・ペンス米副大統領が行った「対中政策」に関する演説のことである。
演説は、経済から貿易、安全保障、「米国への内政干渉」に至るまで、中国の「強圧的な力の行使」を非難した。
演説の評価はまちまちだが、ペンス氏が「われわれは引き下がらない」と強い決意を語ったことに、中国側は驚いた。演説は「米中新冷戦」の開始を告げたと、みたようだ。
ペンス氏に近い米紙『ワシントン・ポスト』のコラムニスト、ジョシュ・ローギン氏によると、トランプ政権は発足後、中国政府があらゆる局面で米国に干渉している現実を確認して、暴き、対峙することに努めてきた。
歴史的にみれば、この演説は1983年3月8日、ロナルド・レーガン大統領が行った、ソ連を「悪の帝国」とする演説に相当する。レーガン氏はその15日後には、「戦略防衛構想(SDI)」(いわゆるスターウォーズ計画)を発表、政治・軍事・経済にわたってソ連と対決し、最終的にソ連崩壊に追いやった。ソ連が最も困窮させられたのは1985年9月に米国がサウジアラビアと組んで、石油価格を急落させ始めた戦略だった、とエゴール・ガイダル・ロシア元副首相が回想録に記している。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。