サウジ「カショギ氏殺害」は止められたか:CIAはクシュナー氏とムハンマド皇太子の関係に注視
2018年11月21日

ムハンマド皇太子(中央左)とトランプ大統領(同右)。さらにその右隣にはクシュナー氏の姿も (C)AFP=時事
サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(フォーサイトでは原音に近い「ジャマール・ハーショクジー」とも表記)殺害事件。「サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が殺害を命令していた」という「結論」を米中央情報局(CIA)が出した、と米メディアが11月16日報じた。
この報道に「既視感」を覚えた人が多いのではないだろうか。『ワシントン・ポスト』が先行、他メディアが追随した報道だが、今ごろなぜこんな情報が、と私も思った。
同紙は1カ月以上前、「皇太子、カショギ氏をサウジに誘い出し、拘束する作戦を命令」というスクープをしている。今度の情報で新しいのは「殺害」も命令していたということだ。
サウジ検察当局自体、イスタンブールの「サウジ総領事館でカショギ氏がサウジ行きを拒否したので、現場の工作員が殺した」と明らかにしており、「殺害命令」は最初から含まれていた可能性もある。こうした工作は通常、第2案も3案も用意するからだ。
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