批判的だった共和党議員が次々引退し、ますます党寧影響力が強まるが……(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 11月6日に行われた中間選挙の連邦上院議員選挙では、与党・共和党が上院の定数(100議席)の過半数を上回る53議席を確保し、1カ月あまり後の2019年1月3日に召集される第116議会でも引き続き多数党の立場を維持することとなった。

 他方、下院については第116議会では8年ぶりに野党・民主党が多数党の立場に復帰することとなり、大統領の所属政党、上院と下院との支配政党が異なる「分断政治(Divided Government)」(いわゆる「ねじれ議会」)が2年ぶりに出現することになる。

 第116議会での下院における問題点は11月29日の拙稿「『次期下院外交委員長』と『次期下院情報特別委員長』の優先課題」を参照されたいが、では、共和党主導の上院はどのような特徴を持ち、また与野党が協力できる主要課題としてインフラ整備法案や医療保険の見直しが挙がっているが、果たしてそれらの展望はどうなるのであろうか。

共和党の「トランプ化」を象徴

 今回の中間選挙で共和党が民主党現職から上院議席を奪還したのは、共和党の支持が強固で、2016年大統領選挙でもドナルド・トランプ氏が2桁の大差で勝利を収めた「レッドステート(red state)」であるインディアナ、ミズーリ、ノースダコタの3州と、大統領選挙人29名を持つ全米最大の「激戦州(battleground state)」であるフロリダ州の合計4州であった。

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