批判が殺到した「ヘルシンキ会談」(C)AFP=時事

 

「大統領、あなたは今、あるいは過去に、ロシアのために働いたことがありますか?」

 ドナルド・トランプ米大統領が年明け1月12日夜、大統領自身のお気に入りの『FOXテレビ』の電話インタビューで、こんな質問を受けて、「極めて侮辱的な質問だ」と怒った。

 歴代大統領が公開の場でこれほど失礼な質問をされたことは恐らく一度もないだろう。

 インタビューでこのような質問が出たのは、前日の『ニューヨーク・タイムズ』電子版が、まさにそんな質問を肯定する記事を掲載したからだ。もちろん大統領は「大失敗の新聞だ」「やり過ぎだ」と悪態をついた。だが奇妙なことに、「自分はそんなことをしていない」といった否定の発言はなかった。

 同紙によると、大統領が2017年5月9日に連邦捜査局(FBI)長官だったジェームズ・コミー氏を解任した直後、FBIは「大統領が米国の国益に反して、ロシアのために働いている」疑いがあるとして、大統領に対する「防諜(カウンターインテリジェンス)」の捜査を開始したというのだ。

「コミー解任」と「防諜捜査」の関係

 防諜捜査の開始を決定したのは、当時のアンドルー・マッケイブFBI長官代行だが、その後、彼自身もトランプ大統領に解任された。

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