スイス製の時計から、世界経済が見えてくる……

 

 高級時計の代名詞であるスイス製時計の全世界向け輸出額の推移を見ると、世界経済の動向が見えてくる。(スイス「時計輸出底入れ」で期待できる「世界経済」の先行き 2017年12月28日参照)

 スイス時計協会が発表した2018年のスイス時計輸出額は211億7320万スイスフラン(約2兆3260億円)と、2017年に比べて6.3%増えた。輸出額の増加は2年連続。時計の需要を見る限り、2018年は世界的に消費が盛り上がった年だったことがわかる。

英国は5位に転落

 スイスの時計輸出は2014年の222億4730万スイスフラン(約2兆54700億円)がピークで、その後、2年続けて大きく減少、2016年には194億スイスフランにまで落ち込んでいた。それが、2016年を底に増加に転じ、2017年は199億スイスフランと、2016年比2.7%増えていた。2018年の伸び率はこれを大きく上回った。

 スイス時計の輸出好調は、2018年の世界経済が好調だったことを示している。輸出先上位30カ国・地域のうち、2018年が前の年よりマイナスになったのは、わずか6カ国だった。大半の国・地域で高額品消費が堅調だったことを示している。一方、マイナスになった6カ国はすべてが欧州の国々だった。

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