テキサス州パーミアン陸盆のシェールガス掘削設備。増産の準備も進んでいる(C)AFP=時事

 

 本欄2019年1月7日の『2019年原油価格:2018年の「見誤り」から分析する「シェール」「先物」動向』の中で、2019年の原油価格の「上値が重い」と判断する主因として、財務能力があるスーパーメジャーがシェール事業へ本格的に参入したこと、を挙げたのだが、読者の皆様はご記憶だろうか。

 外部資金を必要としないスーパーメジャーは、価格が下落しても開発計画を変更する必要がなく、パイプライン不足には「DUC(Drilled but Uncompleted=掘削済み未仕上げ」坑井増加で対応できるので、増産基調は変わらないのでは、というのが判断根拠だ。

 あれから2カ月、『フィナンシャル・タイムズ』(以下FT)のエド・クルック記者が書いた「Exxon and Chevron plan for Permian shale boom」(2019年3月5日)という記事を読みながら、筆者は「やっぱりね」とほくそ笑んでいる。

 だが、パーミアン陸盆(Permian Basin)には在来型石油開発全盛時代に押さえていた自社所有地(「遺産=legacy」とも呼ばれる)があるので、新たに土地やリース(鉱区権)を購入しなければならない多くの他石油会社と異なり、「シェブロン」のシェール事業の利益率が30%以上もある、というのは驚きだ。

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