今度の米大統領選挙のオクトーバー・サプライズとは何か。 今春には、ブッシュ大統領はマケイン上院議員を勝たせるためイラン攻撃に踏み切る――とも予測されていた。だが、その可能性は今やもうない。 今、広がりつつある噂は、国際テロ組織アル・カエダによる米本土ないしは在外の米国施設への攻撃の可能性だ。 九月二十八日付英紙サンデー・テレグラフは「(オクトーバー・サプライズで)アル・カエダに攻撃されるのを防ぐため、米国防総省はパキスタン国内のテロ組織に対する攻撃を強化するよう命じた」と報じた。 事実、ブッシュ大統領はこの七月、パキスタン政府の承認を得ずに、米特殊部隊が地上作戦でアル・カエダやタリバンを攻撃することを許可した。 米中央情報局(CIA)は今年初めから、無人偵察機MQ1Bプレデターを使って、アフガニスタンとの国境に広がる連邦直轄部族地域(FATA)のアル・カエダやタリバンのアジトに対してミサイル攻撃を行なっている。今年五月号の本欄でも伝えた通りだ。 ブッシュ大統領がそれに加えて開始した作戦は、特殊部隊による地上攻撃だ。 地上戦闘は、ペンタゴンの合同特殊作戦司令部の指揮下で、アフガニスタンのバグラム空軍基地に駐在するCIA高官がコーディネーターとなり、陸軍特殊部隊デルタフォースと海軍特殊部隊SEALSが合同で展開している。

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