インテリジェンス・ナウ

パキスタンに開かれた「第三の戦端」強まる米国への反発とISIの暗躍

執筆者:春名幹男 2008年11月号
エリア: 北米 アジア

 今度の米大統領選挙のオクトーバー・サプライズとは何か。 今春には、ブッシュ大統領はマケイン上院議員を勝たせるためイラン攻撃に踏み切る――とも予測されていた。だが、その可能性は今やもうない。 今、広がりつつある噂は、国際テロ組織アル・カエダによる米本土ないしは在外の米国施設への攻撃の可能性だ。 九月二十八日付英紙サンデー・テレグラフは「(オクトーバー・サプライズで)アル・カエダに攻撃されるのを防ぐため、米国防総省はパキスタン国内のテロ組織に対する攻撃を強化するよう命じた」と報じた。 事実、ブッシュ大統領はこの七月、パキスタン政府の承認を得ずに、米特殊部隊が地上作戦でアル・カエダやタリバンを攻撃することを許可した。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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