英警察に逮捕された後、ロンドンの治安裁判所に入るアサンジ容疑者 (C)EPA=時事

 

 ロンドン警視庁に身柄を拘束されたウィキリークス創設者、ジュリアン・アサンジ容疑者(47)。今後、彼の身柄はどうなるか。それに加えて、ウィキリークスがなお保持する大量の情報と情報源のリスト、米国の「ロシア疑惑」に絡む関係証拠をめぐって、関係各国インテリジェンス機関の「暗闘」が激しくなりそうだ。

 アサンジ容疑者はこれまでロシア関係文書の公開を抑制してきたと伝えられており、これら文書をめぐって、ロシア対米英情報機関の争奪戦が起きる恐れもある。

 当面、最大の焦点はアサンジ容疑者が持っていたコンピューター、ハードディスクおよび関係文書だ。まったく報道はないが、逮捕の際に、英司法機関は在英エクアドル大使館内の彼の居所を家宅捜索し、これら証拠品を押収したのは確実。この逮捕劇で、英国がインテリジェンス面でも優位に立ったとみられる。

 7年間にわたった在英エクアドル大使館でのアサンジ容疑者の籠城の間に何があったのか。例えば2015年7月31日にウィキリークスが発表した「ターゲット東京」と題する一連の文書。第1次安倍政権の際に安倍晋三首相ら35の「トップシークレットのターゲット」を米国家安全保障局(NSA)が盗聴していたことが分かったが、その情報源は今なお明らかにされていない。アサンジ逮捕後の問題を探っていきたい。

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