「米中首脳会談」の実相(下)突如方針転換した「強硬路線」
2019年7月5日

自身の足元が揺らいだか(C)AFP=時事
前稿(中)の最後で触れておいた中国元高官の言う「自給自足」。これは習近平政権が選んだ道だ。
しかし、通信機器大手「華為技術」(以下、ファーウェイ)は、裏腹に米国の半導体産業に大きく依存しているのが実態だ。
ファーウェイの調達先は世界で1万社(うち米企業は約1200社、日本企業は約100社)を超え、昨年の調達額は約700億ドルだ。
半導体企業などの育成政策を担う中国のシンクタンク関係者によると、ファーウェイ傘下の半導体設計会社「ハイシリコン」でさえ、中核半導体の技術を握る英半導体設計大手「アーム(ARM)ホールディングス」の技術に頼っていた。
この関係者によると、米「クアルコム」や「アップル」、韓国の「サムソン電子」など半導体チップメーカーも、ARMの設計ライセンスなしには経営を持続できないという。
ARMは、例えばスマートフォン用半導体の設計において9割のシェアを持ち、同社の技術なしではスマホを製造するのは難しいとされる。確かにファーウェイも米半導体と同レベルとされる自社の中核半導体「キリン(Kirin)」を自社のスマホに使っているが、基礎技術はARMからのライセンス供与だ。
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