輸出規制はどのような効果をもたらすのか (C)EPA=時事

 

 日本政府が半導体製造用の原材料3品目で韓国への輸出規制強化を開始した。この措置に、世界は驚いたようだ。米経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は「トランプ(米大統領)流…で、効果を最大化しようとしている」と皮肉っぽく報じた。

 先の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で安倍晋三首相が「自由で開かれた経済は世界の平和と繁栄の礎」と締めくくって、わずか2日後に発表したこの対韓輸出規制。自由貿易で発展してきた日本が「自由貿易に一撃」かと報じられている。

 関税貿易一般協定21条「安全保障のための例外」を理由にした日本の輸出規制。その点だけで見れば、「華為技術(ファーウェイ)」封じ込め策で示した「トランプ流」と同じだ。

 しかし、ファーウェイ対策は1年以上前から、オーストラリアなどとの綿密なインテリジェンス協議を重ねて実行した。中国側は反発したが、効果的な対抗策は打ち出せておらず、ファーウェイの業績が悪化している。

 他方、日韓の対立はますます深刻化、争いは長期化して、日本経済への悪影響も財界は懸念している。安倍政権の対韓国輸出規制の行方を、ファーウェイ対策や過去の対旧ソ連輸出管理を参考にしながら、考えてみたい。

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