執務室での会話はダダ漏れだったのか (C)EPA=時事

 

 サウジアラビア石油施設に対する謎の攻撃。イランの関与が確実視されるが、イランとの軍事衝突は「避けたい」とドナルド・トランプ米大統領は発言した。

 だが、まともな情報機関はそんな発言を信用せず、本音を探る。だから、中国やロシアはトランプ大統領の携帯電話を盗聴する工作に従事しているのだ(米『ニューヨーク・タイムズ』)。ただこの報道では、盗聴の手段や証拠は分からないままだった。

 ところが、このほどホワイトハウスの近くで、携帯の電波を盗聴する複数の装置が発見されていた事実が明るみに出た。

 発見されたのは「IMSIキャッチャー」と呼ばれる装置で、米国土安全保障省の国家防護計画総局(NPPD)が確認した。

 IMSIとは、携帯電話の国際加入者識別番号のこと。その「キャッチャー」は、携帯電話基地局になりすましていたことからみて、アンテナあるいは小さいタワーの形状をした傍受装置とみられている。

 この情報をすっぱ抜いた米ニュースサイト『ポリティコ』によると、米政府当局は過去2年間にわたってこの装置を分析した結果、イスラエルの仕業であるとの結論を出した、というのだ。「キャッチャー」がワシントン市内で発見されていたことは、後で詳述するが、筆者が入手した国土安全保障省次官から米上院議員への書簡でも確認された。

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