「安倍・菅ライン」についに亀裂か!?(C)時事

 

 10月に安倍晋三政権を襲った2閣僚の更迭ドミノは、「ポスト安倍」をめぐる自民党内の権力構図にも少なからぬ影響を与えた。

 辞任した菅原一秀前経済産業相と河井克行前法務相は、いずれも菅義偉官房長官の側近で、菅氏の求心力は大きく低下。ほくそ笑んだのは安倍首相からの禅譲を狙う岸田文雄政調会長だ。

 岸田派幹部は、菅氏と連携する二階俊博幹事長の影響力を削ぐことにもつながったと喜ぶが、失地の菅氏に次の一手はあるのか。カギを握るのは、菅氏と長年対立してきた党内第3派閥の「あの領袖」との声もある。

土壇場でも菅原氏をかばった官房長官

「当初、菅氏は菅原氏の公設秘書が地元有権者の通夜で香典を渡した公職選挙法違反疑惑について、『菅原本人が翌日の葬儀に出席したので法律に引っかからない』と問題視しないそぶりをみせていた。最終的に引導を渡したのは、事態を重く見た安倍首相だった」

 官邸関係者は、10月25日の更迭劇の内幕をこう明かす。 

 公選法では、議員本人が直接持参せず香典や祝儀を有権者に渡すことを禁じているが、本人の来場前夜に香典を渡した公設秘書の行為は、「限りなく黒に近いグレー」(立憲民主党幹部)。主要野党は菅原氏から明確な説明がない限り、国会審議に一切応じない姿勢を示したが、土壇場でも菅原氏をかばった菅氏の姿勢は、政権内で奇異に映ったという。

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