ジョンソン英首相、都合の悪い報告書にはフタをする? (C)AFP=時事

 

 下院が解散され、12月12日投票に向けて国家の将来を決める総選挙たけなわの英国。実は、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)問題をめぐる大騒動の陰で、ボリス・ジョンソン首相がある重大な報告書の公表を拒否していた。

 この報告書は、「外交官(を装った)カバー」の駐英ロシア大使館スパイや、ジョンソン首相の最側近でロシアとの関係が懸念されるドミニク・カミングズ上級顧問らに言及しているとみられる。公表されていたら、選挙に大きい影響を与えていただろう。

 下院情報安全保障委員会が情報機関の支援も得てまとめたその報告書。タイトルは、ずばり『ロシア』。3年前、小差の賛成多数でEU離脱派が勝利した国民投票の裏で行われていたロシアの工作が重大なテーマだ。

 同委はことし3月に調査を終了。防諜機関MI5や対外情報機関MI6、通信傍受やサイバー問題を担当する政府通信本部(GCHQ)など情報機関が約半年かけてチェック。公表しても問題なし、との結論を得て、10月17日に首相官邸に提出された。

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