ジョンソン与党「保守党」の勝利を伝える英各紙(筆者提供)

 

【ロンドン発】 国家の運命を賭けた選択という割には、終わってみるとあっけない。英総選挙はジョンソン政権与党「保守党」の圧勝で幕を閉じた。英国は政権の思惑通り、2020年1月末をもって欧州連合(EU)から、形式的とはいえ離脱するだろう。

 それは、もはや後戻りのできない道である。英国民、特にインテリらの間では、自国に愛想を尽かして国外移住を探る動きも顕著になった。国内が賛否両論に2分されている状況は相変わらず。様々な課題が複雑に絡み合って、解決が見通せないにもかかわらず、英国はその敷居をひょいと乗り越えたのだった。

 前稿『逃げる「保守党」逆転狙う「労働党」:どうなる「ブレグジット総選挙」』(2019年12月10日)で見た通り、保守党優位は投票前から揺るがなかった。サプライズの可能性も小さかった。しかし、この結果は一種のサプライズである。野党「労働党」が盛り返すのとは逆の意味で。保守党がここまで大勝するのは、大多数の人が予想しなかった。

 開票の経緯を振り返りつつ、この結果が意味するものを考えてみたい。

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