両端の2国が合意してくれて、挟まれた欧州各国首脳は安堵(右からプーチン露大統領、マクロン仏大統領、メルケル独首相、ゼレンスキー宇大統領)(C)AFP=時事
 

 本稿は、個人ブログ『岩瀬昇のエネルギーブログ』を『新潮社フォーサイト』に引っ越ししてから200本目になる。1本目は『OPEC・非OPEC「協調減産」1年延期にロシアは従うか』(2017年12月2日)だった。

 再読してみたが、筆者としては個人ブログをそのまま書き続けており、掲載先が読者数の圧倒的に多い「新潮社フォーサイト」に変わっただけと思っていたようだ。文面から特段の思い入れは感じられない。

 だが再読して、興味深いことを発見した。

 当時この呼称はまだ定着していなかったが、「OPEC」とロシアを代表とする非OPEC産油国の協調グループである「OPECプラス」としての当該減産は、「自発的に合意した生産調整(production adjustment)を全面的に順守することを誓う」ことで実行する、となっていたのだ。この基本線は、今回の削減強化合意でも変わってはいない。

 これは、2015年に合意された気候温暖化対策の「パリ協定」に類似している。強制力はなく、罰則規定もない。各国の「自発的な」「誓い」に基づいている、ということなのだ。

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