1月7日の党本部仕事始め式で挨拶をする安倍首相(C)時事通信

 

 令和2年が幕を開けた。今後の政界の最大の焦点は、安倍晋三首相が衆院解散の是非のタイミングをどう判断するかだろう。

 東京五輪・パラリンピックが終わる9月以降が有力視されるが、五輪後の経済状況などを考えると、来年10月の衆院議員任期満了直前まで見送るシナリオも浮かび上がる。解散時期と合わせて宿願の憲法改正に向けたタイムスケジュールを分析すると、「ポスト安倍」への禅譲どころか、首相の党総裁連続4選論もみえてくる。

「任期満了から1年以遠」という慣習

「本年の干支は庚子(かのえね)。ネズミは十二支のトップバッターで、新しい芽が伸び始める年といわれる。『庚』にはこれまでの継承の上に思い切って改革していくとの意味が込められている。新しい時代を切り拓くような、大きな改革を進めていく」

 首相は1月6日、伊勢神宮(三重県伊勢市)参拝後の年頭記者会見でこう強調し、憲法改正に向けた動きなどを果断に進める考えを示した。

 しかし、政権に求心力がなければ「大きな改革」は進められない。そのカギとなるのが、首相が持つ衆院の解散権だ。

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