取引所「マウントゴックス」の破綻

執筆者:野口悠紀雄2020年1月23日
リブラ公式HPより

 

 アメリカでビットコインを肯定する意見が増えたが、中国は規制。取引所の「マウントゴックス」が破綻して、「ビットコインが崩壊した」との誤解が日本で広がった。

アメリカでビットコインに対する好意的な意見

 ビットコインに関しては、さまざまな意見が表明された。

 2013年11月18日に米上院の委員会が、ビットコインに関する初めての公聴会を開いた。 財務省や司法省、国土安全保障省などの関連部局の担当者、ビットコイン財団幹部、そして学識経験者らが証言した。

 予想に反して好意的な意見が多かった。

 当時の米連邦準備理事会(FRB)の議長ベン・バーナンキは、同委員会にあてた書簡の中で、技術進歩が支払いシステムの迅速性や安全性、効率性の向上を促すならば、長期的展望を持てる分野もあると指摘した。

 1BTCの価格が1000ドルを超えた2013年12月に、バンク・オブ・アメリカ=メリルリンチは、ビットコインに関するレポートを公表した。これは、ビットコインの経済価値についての定量的な分析であったが、好意的な見解が述べられた。

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