トランプ大統領が1月28日正午、ホワイトハウスで、イスラエルのネタニヤフ首相と共に、中東和平(イスラエル・パレスチナ和平)に関するいわゆる「世紀のディール」を発表した。和平案"Peace to Prosperity: A Vision to Improve the Lives of the Palestinian and Israeli People" のテキストは下記のウェブサイトからダウンロードできる。

"What Israel and Palestine Will Look Like According to Trump's Plan: Full Text," Haaretz, January 28, 2020.

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和平の片方の当事者であるはずのパレスチナ自治政府のアッバース大統領の姿はなく、トランプ政権の「世紀のディール」をめぐる動きから、近年は全く排除されている模様である。トランプ政権が一方的にイスラエル側に提示した、イスラエル側の主張を全面的に丸呑みした和平裁定と言える。

この和平裁定は、1967年の第3次中東戦争でパレスチナ全体を実効支配して以来のイスラエルが行ってきた「現状変更」の結果を、そのまま「正統」なものとして認め固定化するに等しい。

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