仕様改善を巡って起きた「2017年ビットコイン騒動」
2020年2月6日
2017年には、能力拡張のための仕様変更をめぐって、ビットコインが大きく揺れ動いた。これはビットコインが発足して以来の最大の転機だった。この問題を理解するには「フォーク」が何かを理解する必要がある。
スケーラビリティの問題が緊急になる
それまでのビットコインの仕様では、取引能力に限度があり、取引が増えると、支障が生ずる恐れがあった。
これは、「スケーラビリティ」と呼ばれる問題だ。
クレジットカードの「VISA」や「MasterCard」などは、1秒間で最大4万5000件の取引を処理できると言われている。通常は、1日あたり4億~5億の取引を処理している。
ところが、ビットコインでは、1秒間に7取引、1日で最大60万4800取引までしか処理できなかった。
このような処理能力では、利用者の増加に対応することができず、決済の遅延などの重大な問題が生じることが懸念された。
そこで、ビットコインの仕様改善のための議論が行われた。
改善提案:ブロックサイズの拡張やデータの圧縮
主要な提案としては、つぎのようなものがあった。
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