リブラ公式HPより

 

 2017年には、能力拡張のための仕様変更をめぐって、ビットコインが大きく揺れ動いた。これはビットコインが発足して以来の最大の転機だった。この問題を理解するには「フォーク」が何かを理解する必要がある。

スケーラビリティの問題が緊急になる

 それまでのビットコインの仕様では、取引能力に限度があり、取引が増えると、支障が生ずる恐れがあった。

 これは、「スケーラビリティ」と呼ばれる問題だ。

 クレジットカードの「VISA」や「MasterCard」などは、1秒間で最大4万5000件の取引を処理できると言われている。通常は、1日あたり4億~5億の取引を処理している。

 ところが、ビットコインでは、1秒間に7取引、1日で最大60万4800取引までしか処理できなかった。

 このような処理能力では、利用者の増加に対応することができず、決済の遅延などの重大な問題が生じることが懸念された。

 そこで、ビットコインの仕様改善のための議論が行われた。

改善提案:ブロックサイズの拡張やデータの圧縮

 主要な提案としては、つぎのようなものがあった。

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