「BP」温暖化ガス「排出ゼロ宣言」の中身

執筆者:岩瀬昇2020年2月14日
「ネット・ゼロ」を高らかに宣言している「BP」のHP
 

 またまた「参議院資源エネルギーに関する調査会」の話で恐縮だが、2月12日の会合で、

〈石油業界も「低炭素エネルギー社会への移行」に真剣に取り組んでいるが、いまだに資本投資のせいぜい5%程度しか再エネには費やしていない、その中で誕生した「BP」の新CEO(最高経営責任者)バーナード・ルーニー氏が今日(2月12日)、新経営方針を発表する、おそらく踏み込んだものになりそうだと業界では噂されている……〉

 と委員の先生方に申し上げたのだが、実際に、思った以上に大胆な方針を打ち出したようだ(ルーニーCEOについては、2019年10月9日『英「BP」新CEOが問われる難題「温暖化対策」』参照)。

 2月5日に就任したばかりのルーニーCEOが発表したその内容は、たとえば、会社として「BP」は2050年、あるいはそれ以前に「ネット・ゼロ」(温暖化ガス排出量を実質ゼロにすること)になることを目指すのみならず、世界が「ネット・ゼロ」を実現できるよう支援するため、「BP」が販売する製品の「炭素強度(carbon intensity)」(単位当たりの炭素排出量)を50%削減することも目標に織り込んでいる。

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