マクロン政治への「反発デモ」から考える「連帯」と「デモクラシー」
2020年3月29日
昨年12月以後、フランスでエマニュエル・マクロン政権の年金改革に抗議する交通・公共ストが長期化し、1986~87年の冬の公共スト以来の記録を更新した(2020年1月20日『40日以上「年金改革」反対スト・デモ「マクロン大統領」の苦渋』参照)。
ストは、マクロン大統領が満額支給年齢の64歳までの年齢引き上げを一旦見合わせ、労使協議によって4月までに財源案を提出するよう指示したことで、一旦下火となった。
しかし、年金給付額算出のためのポイント制導入案などの審議が議会の委員会で開始された2月5日には、全国で13万人に上る抗議デモが組織された。これは、1月30日の閣議決定の日の動員数(約11万人)よりも多くなり、年金改革反対運動がまだまだ国民に強い抵抗感をもって受け止められていることを示した。
2月17日からは議会本会議での審議が始まったが、「パリ交通公団」(RATP)の最大労組「自治労働組合連合」(UNSA)はその日を「暗黒の月曜日」と称し、大規模なストを呼び掛けた。
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