40日以上「年金改革」反対スト・デモ「マクロン大統領」の苦渋

執筆者:渡邊啓貴 2020年1月20日
エリア: ヨーロッパ
スト・デモはまだ収まる気配を見せない(C)AFP=時事
 

 フランスでは昨年12月5日に始まった国鉄(SNCF)労働組合を中心とする交通ストが長期化し、社会不安と政局の動揺を煽っている。

 これまで政府は断固として労組の抵抗に対抗してきたが、1月11日、エマニュエル・マクロン政権のエドゥアール・フィリップ首相が、スト拡大の最大の原因となっている年金支給年齢の延期案を一時的に見合わせる旨を発表した。

 しかし同夜、フランス国営テレビ番組で、フィリップ首相は、

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴(わたなべひろたか) 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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