協議は時節柄、こうしたテレビ会議で行われた(「G20サウジアラビア」公式サイトより)
 

 注目されていた「G20エネルギー相会合」(日本時間4月10日夜開催)は、「共同コミュニケ」を発表して閉幕した。

 この「共同コミュニケ」を読んだだけでは、あまりに抽象的過ぎて、「だから何なんだ」という感想しか浮かばない。外交文書というものは、いつの世もこういうものなのだろうか。

 凡人の筆者が読んで理解できる具体的成果は、「G20」として「短期フォーカスグループ」を組成し、関係のある国際機関の協力の下「対応策」の進展をモニターし、分析評価し、9月開催予定の「G20エネルギー相会合」に報告をする、ということだけだ。

 意味するところは、「OPEC(石油輸出国機構)プラス」の協調減産(2020年4月10日『「OPEC+」協調減産「原則合意」は「G20」で「最終合意」に達するか』)を「対応策」として「認知」した、ということだろう。

 認知はされたが、これが実行されるかどうかは、どうやって担保されるのであろうか。「モニター」して「分析評価」して、もし守られていなかったらどうするのだろうか。
 思えば「OPEC」そのものもそうだし、気候変動問題に世界が一致して取り組むことを合意した「パリ協定」も同じだが、加盟国・調印国が約束違反をした場合の罰則規定はない。仮にあったとしても、罰則を実行できる組織は存在していないのだからあまり意味がないのだ。

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