サウジが今年の議長国であり、テレビ会議であったことが「G20 」緊急開催を実現させた(「G20サウジアラビア」公式サイトより)
 

 最終的にメキシコの言い分を認め、「『OPECプラス』として970万BD(バレル/日)の減産で合意した」というニュースを見て、筆者は「うん? 結局は『市場原理』に身をゆだねるということか」と呟いた。

 そして、「よく考えて『新潮社フォーサイト』に書こう、『歴史の一証人』として」と続けた。

 筆者は、今回の「石油価格戦争」が勃発した直後、本欄『価格戦争「サウジvs.ロシア」本当の敵は「米シェール」という「仕組み」と「背景」』(2020年3月11日)の中でこう書いた。

〈今回の暴落は、荒波の中を再び海図のない航海へ船出してしまった、ということになるのではなかろうか。

 果たしてロシアが目論んでいるように、「経済原則」が働くのかどうか。

 世界規模の新型コロナの蔓延を如何にして抑え込むか、という問題と共に、我々は歴史の証人になるのかもしれない〉

 読者の皆さんと同じように、筆者も「歴史の証人」の1人だ。

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