「マンデー大暴落」の「原理」を解説する

執筆者:岩瀬昇2020年4月21日
21日の朝夕刊各紙とも大々的に報じていたが、果たしてどこまで「原理」を理解しているのやら
 

 今朝(4月21日)起きて、最初に頭に浮かんだのは「Squeeze(絞られる)」という単語だった。

 NYMEX(New York Mercantile)のWTI原油先物で期近の5月受け渡しが大暴落し、終値が「マイナス37.63ドル/バレル」だったからだ。何と前日比55.90ドルの値下がりである。

 つまり、売主がお金を払って引き取って貰う、という市場になっているということだ。

 これは「Squeeze」が起こったのだろうか?

 この終値は、これまでの記録である1986年3月31日の10.42ドルを上回る、いや下回る、史上最安値なのだそうだ。

 1986年の第1四半期は、本欄『「OPECプラス」「G20」協調減産でも「強制減産」不可避「オイルサンド」業者の悲鳴』(2020年4月9日)で詳述した、いわゆる「逆オイルショック」で市場が大荒れに荒れている時だった。

 当時、ロンドンでオイルトレーダーをしていた筆者は、目の前で「Squeeze」が行われているのを目撃している。

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