禁じ手「財政ファイナンス」踏み込んだ日銀「黒田総裁」に財政規律は効くか
2020年5月8日
4月27日、日本銀行は金融政策決定会合を開催し、新たな追加金融緩和策を決定した。
特筆すべきは、「国債買い入れ枠を無制限に拡大」し、“事実上の財政ファイナンス”に踏み出したことだ。
そこで今回は、この「財政ファイナンス」について紐解いてみたい。
発表文に説明なし
この決定会合まで、日銀は、
「長期国債の保有残高の増加額を、年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買い入れを実施する」
という手段を掲げていた。
しかし今回、実際の長期国債の年間買い入れ額の実態は10兆円台まで低下していた(買い入れ枠に大幅な余地があった)にもかかわらず、買い入れ限度額を“無制限”に拡大した。
この点について、筆者は黒田総裁の会見直前、4月27日当日朝の拙稿『本日開催「日銀」金融政策決定会合「中身」と「効果」』で、
「日銀が国債買い入れ枠を無制限にすることは“限りなく財政ファイナンスに近い”」
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