リブラ公式HPより

 

 中国で実験が始まった「デジタル人民元」で、「アリペイ」などの電子マネーがどのような位置づけになるか、まだ不明な点がある。焦点は、手数料がどうなるかだ。

 中国では、広域デジタル通貨の構想も提案された。

中国の電子マネーは、手数料を低く設定できた

 第36回で述べたように、中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタル人民元」は、すでに実験を開始している。

 中国では、「アリババ」が提供する「アリペイ」や「テンセント」が提供する「ウィーチャットペイ」などの電子マネーが広く使われている。これらとデジタル人民元がどのような関係になるのかが注目される。

 中国では、アリペイやウィーチャットペイなど、銀行以外の主体が提供する決済サービスは「第三者決済」と呼ばれる。これらのサービスの提供機関が第三者決済機関である。

 第三者決済機関は、銀行に預金口座を保有している。個人や企業など第三者決済の利用者は、第三者決済機関に口座を保有する。

 従来、利用者間の決済は、第三者決済機関のシステムの中で行われてきた。

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