新・マネーの魔術史:未来篇 (36)

「デジタル人民元」「リブラ」の発行が視野に

執筆者:野口悠紀雄 2020年6月4日
タグ: 新型コロナ
エリア: アジア 北米
リブラ公式HPより

 

「デジタル人民元」は、すでに実験段階に入っているようだ。

 これによって人民元の国際化が進む可能性がある。

「フェイスブック」が提案する仮想通貨「リブラ」は、当初の計画を大きく変更しつつも、2020年中の実現をめざす。

「デジタル人民元」がすでに実験を開始

 中国が発行を予定している「デジタル人民元」は、新型コロナ禍で開発が停滞しているかに見えていた。しかし、すでに実験を開始していることがわかった。

 場所は、広東省深圳、江蘇省蘇州、河北省雄安新区、四川省成都、それに冬季五輪の会場。これから推察すると、2022年2月に北京で開く冬季五輪までに発行する方針であると考えられる。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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