新・マネーの魔術史:未来篇 (67)

中央銀行によるマネー発行の独占は必要か? 望ましいか?

執筆者:野口悠紀雄 2021年1月14日
エリア: その他
ディエム公式HPより

 

 デジタル通貨を巡る議論の根底にあるのは、中央銀行によるマネー発行独占の是非だ。

 中央銀行がマネー発行を独占すれば、マネーによって財政支出を賄うことができる。それは、いかなる仕組みで行われるか?

マネー発行の中央銀行独占は、当然のことではない

 CBDC(中央銀行デジタル通貨)や、フェイスブックが発行を計画しているDiemなどに関してはさまざまな議論があるが、最も基本的な問題は、マネーの発行を中央銀行が独占すべきなのか、あるいは、しても良いのか、ということである()。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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