中央銀行によるマネー発行の独占は必要か? 望ましいか?
2021年1月14日

ディエム公式HPより
デジタル通貨を巡る議論の根底にあるのは、中央銀行によるマネー発行独占の是非だ。
中央銀行がマネー発行を独占すれば、マネーによって財政支出を賄うことができる。それは、いかなる仕組みで行われるか?
マネー発行の中央銀行独占は、当然のことではない
CBDC(中央銀行デジタル通貨)や、フェイスブックが発行を計画しているDiemなどに関してはさまざまな議論があるが、最も基本的な問題は、マネーの発行を中央銀行が独占すべきなのか、あるいは、しても良いのか、ということである(注)。
多くの人は、マネーの発行を中央銀行が独占するのは、当然のことだと考えている。
しかしそれは自明ではない。
歴史的に見ても、マネーを独占的に発行する中央銀行が誕生したのは、それほど古いことではない。
世界で最初の中央銀行とされるスウェーデンのリクスバンクが設立されたのは、1668年のことだ。アメリカでは長らく中央銀行が存在せず、複数の市中銀行が銀行券を発行していた。連邦準備制度の設立は、1913年のことだ。
現在においても、中央銀行のマネー発行独占に関しては、さまざまな意見がある。
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