新・マネーの魔術史:未来篇 (65)

「デジタル人民元」の狙いは電子マネーの抑制と銀行の復活

執筆者:野口悠紀雄 2020年12月24日
タグ: 中国
エリア: アジア
ディエム(旧リブラ)公式HPより

 

 デジタル人民元の仕組みや目的が徐々に明らかになってきた。当面は、国内での少額決済に重点を置くようだ。多額の決済や国際送金は、将来の重要課題だ。これによって、銀行の地位を復活させ、電子マネーの成長を抑える。

明らかになってきたデジタル人民元の仕組み

 デジタル人民元の準備が着々と進行しつつある。12月には、蘇州でも実証実験が行われた。

 ところが、一般の報道は皮相的なものが多く、デジタル人民元の発行や流通の詳細な仕組みについては、よく分からない点が多かった。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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