どちらが勝っても「環境エネルギー政策」には大影響が(C)AFP=時事
 

 先日、都内某所で、

「『バイデン大統領』が誕生すると、米国の環境エネルギー政策は大きく変化するだろう」

 と申し上げた。

 なぜなら、民主党大統領候補指名が確実視されている前副大統領ジョー・バイデンは中道派だが、現職のドナルド・トランプ大統領と闘うためには党として一丸になる必要があり、そのためには左派の主張をも取り込まなければならないと目されているからだ。

 左派の代表格である上院議員バーニー・サンダースは、予備選を戦っているとき、

「もし自分が大統領になったら、水圧破砕法(フラッキング)を全面的に禁止する」

 と主張していた(2020年3月6日『「サンダース大統領」なら米エネルギー生産「3分の2喪失」という現実』参照)。

「フラッキング」とは、「プロパント」と呼ばれる砂や特殊な化学物質を含む大量の水を高圧で一気に流し込むことにより、硬いシェール岩石層に人工的に亀裂(フラクチャー)を生じさせ、その亀裂が通り道となって閉じ込められているシェールオイルやシェールガスを採出するという、シェール革命の中核をなす技術手法だ。

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