リブラ公式HPより

 

 国際決済銀行(BIS)によると、新型コロナウイルスは、デジタル決済やeコマースを急増させた。中央銀行が発行するデジタル通貨は、大きな可能性を持つ。

コロナが決済に与えた影響

 新型コロナウイルスが決済手段にどのような影響を与えたのかは、重要な問題だ。

 BISが、この問題に関するレポートを6月24日に発表した(注1)。これは、6月30日に発表された年次報告書の第3部だ。

 報告書は、新型コロナの感染拡大がリテール決済に大きな影響を与えたとして、つぎの諸点を指摘している。

(1)接触を恐れて現金の使用を避ける人々が増えたため、非接触型カードやデジタル決済の使用が増えた。

(2)2007年から2009年の金融危機時と同じく、緊急時に備えて人々が手元に現金を保有しておく傾向(「予防的現金保有」)が増加した。

(3)都市封鎖や外出制限によって実店舗が閉鎖されたため、eコマース決済が急増した。

(4)国境を越える移動が激減したため、2020年3月のVISAの国際取引は、前年同月比で19%減少した。

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