新型コロナの治療薬として期待される「レムデシビル」。開発は他にも進んでいるが……(C)AFP=時事
 

 多くの先進国で「新型コロナウイルス」の第1波の検証が進んでいる。

 特記すべきは、抗体保有率の低さだ。表1に6月29日現在の主要な報告を示す。

表1

 これを見ると、集団免疫戦略を採ったスウェーデンの首都ストックホルムでさえ、5万人の住民を対象とした最大の調査の抗体陽性率は14%に過ぎなかったことがわかる。

 日本はもっと低い。4万4066人を対象とした「ソフトバンクグループ」が実施した調査で、抗体保有率は0.43%に過ぎなかった。

 集団免疫を獲得するには、スウェーデンのストックホルム大学の研究者たちが米『サイエンス』誌に発表した最も低い数字でも、43%の人が免疫を保有しなければならない。絶望的な数字だ。

ワクチン開発は至難の業

 集団免疫作戦が難しければ、ワクチンと治療薬を開発するしかない。そこでマスコミ報道を見ると、開発は順調のように思える。

「ワクチン開発急ピッチ」(『読売新聞』6月30日)

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