中東もコロナ閉鎖から見切り発車で再開

執筆者:池内恵2020年7月6日

この欄の更新がまたも滞ってしまった。大型プロジェクトを請け負って、組織形成と立ち上げ初期イベントを公開・非公開で行い奔走していたのと、コロナ下で中東との往来も、中東の中での移動も大幅に制約され、中東情勢の展開が滞り、見えにくくなっていたことが大きな原因である。

コロナ感染の打撃を受け、国境や空港が閉鎖されてきた中東も、6月以降徐々に平常化を模索しており、7月からは全面的に往来を取り戻そうとする動きが相次いでいる。

しかし感染判明者の数は各国で6月後半からむしろ再び増加する勢いであり、平常化には程遠い。個人的にも、トルコ・イスタンブールで9月開催が予定されていた国際会議が、「第2波」の影響で取りやめになったという通知を受けたばかりである。元来が4月に開催される予定で招待されていたのが、早期に9月に延期され、そこまでには正常化するという前提で準備が進んでいる様子であった。トルコ政府が秋からの正常化に狙いを定めていることが当初から見えていたが、実際の感染者の増加傾向が予想を超えるもので、「見切り発車」による経済活動・国際関係の再会が挫折に見舞われた形だ。

トルコと競合するイスラエルの方は、どうやら「長期間立てこもり」を試行しているようで、公的主体・民間主体のいずれもが、しきりに恒久的なオンライン開催による新たな会議体の形成を呼びかけてくる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。