スマートフォンを「近づけるだけで送金できる」とはどんな仕組みか?
2020年7月9日
CBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)は、現金に代わるものだ。
したがって、どんな場合でも、誰でも、簡単に送金と受け取りができなければならない。インターネットに接続できない環境、あるいは災害などで電源が使えない環境などでも利用できる必要がある。
ケニアの電子マネーの仕組み
中国が計画中のCBDCであるデジタル人民元は、「インターネットに接続していなくても、送金者と受領者のスマートフォンを近づければ送金ができる」とされている。これはどんな仕組みなのだろうか?
日銀は、7月2日に公表した決済システムレポート別冊「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」でその仕組みを説明している。
インターネットなしでの送金の仕組みのモデルとして、ケニアで実施された「DigiTally」と呼ばれるパイロットプログラムがある。
これは、送金に関するデータを確認するコードを携帯電話で生成し、それを口頭の電話で伝え合って、整合的なら自分の端末にある電子マネーの残高を増減させるという仕組みだ。
具体的には、次のようなものである(図表1参照)。
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