新・マネーの魔術史:未来篇 (41)

スマートフォンを「近づけるだけで送金できる」とはどんな仕組みか?

執筆者:野口悠紀雄 2020年7月9日
リブラ公式HPより

 

 CBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)は、現金に代わるものだ。

 したがって、どんな場合でも、誰でも、簡単に送金と受け取りができなければならない。インターネットに接続できない環境、あるいは災害などで電源が使えない環境などでも利用できる必要がある。

ケニアの電子マネーの仕組み

 中国が計画中のCBDCであるデジタル人民元は、「インターネットに接続していなくても、送金者と受領者のスマートフォンを近づければ送金ができる」とされている。これはどんな仕組みなのだろうか?

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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