「新型コロナ」で明暗分かれた隣国「ジョージア」「アルメニア」の違い
2020年7月14日
イランにおけるジョージア人コミュニティを探訪した『ジョージアから「連れ去られた人々」を追って――イラン・フーゼスターン紀行』(全4回)と『ジョージア・ワイン・ルネッサンス』(全6回)について記している間に、ジョージア国内について記す機会を失っていた。
もっとも、イランにおける共同体の存在も、アメリカ人によるクヴェヴリワイン(甕で醸造するジョージアの伝統的ワイン)の「伝道」も、ジョージアという国の「汎ユーラシア的」性格を物語る。別の言い方をすれば、ジョージアおよびコーカサス(カフカス)は優れて、ユーラシア地政学と文化の隠れた指標となるのである。
さて、ジョージアの近況と言えば、やはり気になるのは新型コロナウイルスの問題である。世界に蔓延するこの感染症についても、実はジョージアは極めてユニークなサンプルを提供する。
素人考えかもしれないが、ジョージアの例を見てみると、コロナ感染が(純粋な感染症というよりも)いかに社会的な事象か(あるいは感染症とはそもそもそういうものかもしれないが)がよくわかる。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。