「マネー急増」で異次元金融緩和の無意味さを再確認
2020年7月16日
手元流動性確保の要求に応じて緊急融資などがなされたため、マネーの増加率が異常なほど高い値になっている。
異次元緩和では、国債購入を増加してマネーを増やそうとしたが、実現できなかった。国債購入額が異次元緩和前の水準に戻ったいま、マネーが増加している。これは、異次元緩和がいかに無意味な政策だったかを再確認させるものだ。
なお、いまマネーが増えているにもかかわらず、物価は上昇していない。
見たこともないようなマネー増加率
マネーが急増している。
日本銀行が7月9日に発表した「マネーストック速報」によると、6月のマネーストック(M2)の対前月比年率伸び率は、28.3%となった。
こんなに高い伸び率は、これまで見たことがない。4月の伸び率9.4%から5月の伸び率22.4%に急上昇したときに驚いたのだが、6月の伸び率は、それをさらに上回っている。
マネーストックの対前年伸び率といえば、これまで2%台程度であり、高くなっても3%程度だった。
異次元金融緩和で「マネーがじゃぶじゃぶ供給されている」と言われることが多かったのだが、実際にはそのような状態にはなっていなかったのだ。
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