リブラ公式HPより

 

 アメリカの金利が低下したため、ドル安が進んでいる。日本にはこれ以上金利を引き下げる余地はない。したがって、円高は一時的現象でなく、継続する可能性がある。日本の輸出産業は、コロナによる需要減と円高という二重苦に直面することになる。

金利差が縮小してドル安が進行している

 ドル安が進んでいる。

 ドル円レートは、2020年の1月頃には、1ドル=110円程度だった。コロナ感染が拡大し始めた3月初めに、105円程度までの急激な円高が生じた。これはすぐ元に戻ったのだが、その後傾向的な円高が始まり、5月初めに106円程度になった。これも戻して6月初めに107円程度となったが、その後は8月にいたるまで傾向的な円高が続いている。8月初めには105円程度だ。

 ドルは、ユーロに対しても減価している。

 1月頃には1ユーロ=1.11ドル程度であったが、8月には1.18ドル程度だ。

 ドル安の原因は、明らかにアメリカの金利低下だ。

 アメリカ10年国債利回りの推移を見ると、図表1のとおりだ。

 2020年1月中旬頃までは1.8%程度であったものが、8月には0.6%程度にまで低下した。8月4日には0.5%程度と5カ月ぶりの低水準となった。5年債利回りは過去最低を更新した。

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