リブラ公式HPより

 

 新型コロナウイルス対策で日本の財政金融は大きな影響を受けている。法人の支払い準備のための預金増のほか、特別定額給付金を個人が預金したことの影響も無視できない。しかし、消費者物価はほぼ横ばいだ。財政支出が大幅に増えており、主として短期国債で賄われている。

マネーストックの増加率が過去最大

 日銀が8月12日発表した7月のマネーストック速報によると、M3(現金、銀行などの預金)の残高は、1452.7兆円だった。前年同月比伸び率は、6.5%だった。残高も伸び率も、統計が始まって以来の最大の値を記録した。

 マネーストックがこのように伸びているのは、預金が増加しているからだ。

 預金通貨の月中平均残高は、前年同月比14.1%増の793兆6000億円だった。伸び率は統計が始まって以来の最大値だった。

 これは、手元資金を確保するために企業が法人預金を増やしているからだ。また、後述のように、特別定額給付金の影響で個人預金も増加している。

 現金通貨の前年同月比伸び率は5.6%増だった。伸び率は前月(4.6%)から拡大し、2016年8月以来の大きさだった。しかし、預金に比べれば伸び率は低い。

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